「おかしい。何かがおかしい」
「あらあら、良太君。今日はクイズかしら?」

 先週、WEB新聞を公開中止にし、まともに部活動を再会させたはずの新聞部。

 一部の生徒にWEB新聞が見られてしまってはいたが、1週間真面目に活動し、今週の原稿チェックも問題なくパスした。
 全く問題ないように思えたのだが、何か引っかかる。
「綾瀬部長。今日の女子バスケ部の取材の件って、ちゃんと許可貰ってたんですよね?」
「もちろんよ。おねーさんが、1週間前にバスケ部部長の山根さんに話をつけているわー」
「ですよねー」

 おそらく、綾瀬先輩の話は本当だろう。時々暴走して、破天荒な記事を書いたりするものの、取材活動やその手続きなんかは完璧に行う人だ。
「ところが、約束の時間通りに行ったんですが、取材拒否されちゃいまして」
「あらあら、どういうことかしら? 良太君、更衣室とか覗いたりしてないわよね?」

 いや、千香じゃあるまいし、女子更衣室を覗いたりなんかしない。
 おそらく、それを本当に実行して、教師にバレようものなら停学……ヘタをすれば退学になる。

「良太。理由とかは聞かなかったの?」
「聞いたんだけど、教えてくれなかったんだ」

 ちゃんと新聞部の腕章をし、部長さんに挨拶しに行ったんだけど、「やっぱりヤダ」という子供みたいな言い分の一点張り。
 結局、体育館を追い出されてしまった。
「で、これが今日だけで女子バスケ部と女子硬式テニス部、女子ハンドボール部と3つも断られてるんですよ」
「ちょっと、女子の部活ばっかりじゃない。良太、何か女子に嫌われるようなことでもしたんじゃない?」

 いや、その女子部ばっかりの取材スケジュールを組んだのは、俺じゃなくて綾瀬先輩なんだけどな。
「女子に嫌われたかどうかは置いといて、昨日も陸上部と野球部に取材拒否されたんだ」
「ふーん、女子限定ではないんだ」
「そうなんだよ」

 スポーツ学校だけあって、各部活の成績と部員数で部活の予算が決められる。
 各部の新入部員数一覧は、みんな興味がある情報らしく、去年のこの時期は喜んで取材に応じてくれたのに……。
「ただ、それ以前は普通に取材出来たんだよ。サッカー部に柔道部、女子剣道部とか。
 だから、2日前に何かがあったんじゃないかなって思ってるんだけど」
「あらあら、取材出来ないのは困ったわねー。おねーさん、一年生の美少年たちが煌めかせる爽やかな汗を見に行きたいのにー」

 どんな汗だ、それは。
「そうよ、困るわ。私も水泳部の1年生を見に行きたいのに」
「2人とも、疾しい目的とか無いですよね……」

 とにかく、調べてみる必要がありそうだ。
 ややこしいことになってなければ良いけど……。