「あー、新聞部の方ですよねー。試合も近いんで、やっぱり取材お断りさせてもらえますか」

 まただ。今日はラクロス部に断られてしまった。
 何故、こんなにも取材拒否が続くのだろうか。

 しかし、悩んでも答えが出るわけでもないので、次の部活へ行く。
 予定よりかなり早くなってしまうが、大丈夫だろうか。


 
「こんにちわー。新聞部の方ですよね。大会前なんで、取材は20分くらいで良いですか?」

 久々に取材に応じてもらえた。
 今回は、我が新聞部同様、非スポーツ系の吹奏楽部。対応してくれた副部長の鏡さんは、笑顔がとてもキュート。だけどスカートが短いせいか、気付けば視線が脚にいってしまう自分が情けない。

「では、事前にお渡しさせていただいた、質問事項についてお話を伺わせていただいてもよろしいですか」

 この時期は、新入部員のことを中心に、各部活に同じ内容を聞いて回っている。
 テンプレートの質問状も事前に渡してから取材に来るため、去年は新聞部に入ったばかりの俺でも比較的容易に取材が出来た。

 ……

「取材は以上です。ご協力ありがとうございました」

 3分残して、取材終了。それなりにボリュームのある回答を得られて、身のある取材となった。
「最後に、練習風景を少し撮らせてもらってよいですか?」
「うーん……まぁ、スポーツしてるわけじゃないから、いっか」

 ん? 今の鏡さんの発言はどういう意味だろうか。
 写真を撮りたいと申し出た時、取材中ずっと笑顔だった鏡さんが、一瞬嫌そうな顔をした。

「あの、今のはどういう意味……」

 確認したかったのだが、音楽室に吹奏楽部の顧問が到着。
 鏡さんを含め、部員全員に緊張が走る。

 ……どうやら、これ以上の話は無理なようだ。
 小声で鏡さんに礼を伝え、音楽室を後にした。


 次に取材に行ったのは、ダンス部。残念ながら、取材拒否。
 その次は、演劇部。ここでは、吹奏楽部同様に取材が出来た。

「あんまり、変な写真撮らない方が良いですよ」

 取材終了後に、演劇部部長の南さんが優しく諭すような感じで、俺に話しかける。
 変な写真なんて撮ったつもりは無いのだが……。

 どうやら、この取材拒否の件は、「写真」がキーワードのようだ。